Surveillance Bridgeのインストールは通常インストーラーを起動し、表示される「Tiger Surveillance Suite Setup」(Surveillance Bridge 2.0Xの場合)の画面(下図参照)の指示に従ってインストールを行います。
以下のような場合には上記のようなGUIによる方法ではなくサイレントインストールが便利な場合があると思います。
- 多くのサーバーに同じ条件でインストールをしたい
- リモート環境等でGUIにアクセスすることが非効率
- 均質なインストールを実現したい
Storage Bridge 1.3XとSurveillance Bridge 2.0Xのバージョンはサイレントインストール用の専用のオプションは持ちませんが、ここで説明する方法を使えばサイレントインストールを実現することが可能です。
説明に使用する環境
上記の通りStorage Bridge 1.3XとSurveillance Bridge 2.0Xはここに説明する方法でサイレントインストールが可能です。本記事では以下の環境を使って説明をしています。一部、表示画面が異なる、含まれるモジュールが異なることはあると思いますが、ほぼ同等の方法でStorage Bridge 1.3Xのサイレントインストールを行うことが可能です。
- Surveillance Bridgeのバージョン:Surveillance Bridge-2.0.0.138
- 使用するインストーラー:Tiger Surveillance Suite-2.0.0.138-no-dotnet.exe
- 使用するWindowsのバージョン:Windows Server 2019 Standard Edition
- インストール対象のVMS: Milestone Systems XProtect 2024R1
インストール前の準備
インストール用に作業用のフォルダー(例えばC:\work\SB2.0_install_work)を用意してください。また、本記事の説明ではWindowsのコマンドプロンプトでインストールを実行します。ここで説明した方法をベースにスクリプト等でサイレントインストールを実行することも可能だと思います。
用意した作業用のフォルダーにインストーラー「Tiger Surveillance Suite-2.0.0.138-no-dotnet.exe」をコピーしてください。
インストーラーの解凍
最初に/extractオプションで「Tiger Surveillance Suite-2.0.0.138-no-dotnet.exe」を解凍します。
解凍結果は以下のようになります。(解凍には数分かかる場合があります。)
インストーラーに含まれていた主なモジュールについて下表に説明します。
モジュール名 | 概要 | 対応アプリケーション |
ha-management-client.exe | Milestone XProtect マネジメントクライアント用プラグイン | Surveillance HA |
ha-smart-client.exe | Milestone XProtect スマートクライアント用プラグイン | Surveillance HA |
sb-arbiter.exe | Arbitration module for HA | Surveillance HA |
sb-ha.exe | Sruveillance HAのコア | Surveillance HA |
sb-configuration.exe | Milestone XProtect以外のVMS用コンフィグレーションGUI | Surveillance Bridge |
sb-core.exe | Surveillance Bridgeのコア | Surveillance Bridge |
sb-event-server.exe | Milestone XProtect イベントサーバー用プラグイン | Surveillance Bridge |
sb-job-manager.exe | Milestone XProtect以外のVMS用jobマネージャー | Surveillance Bridge |
sb-management-client.exe | Milestone XProtect マネジメントクライアント用プラグイン | Surveillance Bridge |
sb-shellext.exe | Windows Explorer用プラグイン | Surveillance Bridge |
sb-smart-client.exe | Milestone XProtect スマートクライアント用プラグイン | Surveillance Bridge |
sb-storage-handler.exe | Storage handlerサービス | Surveillance Bridge |
SB 2.0用インストーラー(Tiger Surveillance Suite-2.0.0.138-no-dotnet.exe)にはSurveillance BridgeとSruveillance HAと呼ばれる2つのTiger Surveillance社のアプリケーション用のモジュールが含まれています。
XProtectのインストールの形態により、必要なコンピューターに必要なモジュールをインストールします。
XProtectを一台のコンピューターにインストールしている場合は以下の5つのモジュールを一つずつインストールしてください。(モジュール毎のインストール方法は後述します。)
- sb-management-client.exe
- sb-smart-client.exe
- sb-event-server.exe
- sb-core .exe
- sb-storage-handler.exe
分散インストールの場合はマネジメントサーバー(マネジメントクライアント、スマートクライアント、イベントサーバーも一つのコンピューターにインストールされているとします。)に以下の三つのモジュールをインストールしてください。
- sb-management-client.exe
- sb-smart-client.exe
- sb-event-server.exe
分散インストールでレコーディングサーバーをインストールしているコンピューターには以下の2つのモジュールをインストールしてください。
- sb-core .exe
- sb-storage-handler.exe
レコーディングサーバーが複数台ある場合もそれぞれのコンピューターに上記の2つのモジュールをインストールしてください。
上記以外にシステム管理用と、もしくは警備の用途等でスマートクライアント、もしくは、マネジメントクライアントをインストールしているコンピューターがある場合にはsb-management-client.exe、もしくは、sb-smart-client.exeモジュールをインストールしてください。
モジュール毎のインストール
インストールするモジュールが決まったら、モジュール毎に以下の形式に沿ってコマンドプロンプトで実行します。
“<EXEファイル>” /l*v “<ログファイル>” /qn
例えばイベントサーバーをインストールし、sbe.logにログを出力する際には以下のように入力します。
“sb-event-server.exe” /l*v “sbe.log” /qn
“/l*v”オプションは詳細のログを出力するためのに付与しています。同様に”/qn”はUIなしでインストールする際のオプションです。これらのオプションはマイクロソフトのインストーラーMSIのオプションに準拠します、詳細はマイクロソフトのHP「msiexec」を参照してください。
上記を実行した場合のログの例(見やすくするため左側を切っています。)
注意:モジュールによってはインストールには数分かかります。ログファイルの大きさが変わらなくなったらインストール終了です。以下は上記のsbe.logの最終行です。このような表示があればインストール完了です。
インストール後の確認
必要なモジュールのインストールが終了したら、サーバーをリブートします。
インストールが完了するとWindowsの「コントロールパネル」「プログラムと機能」でモジュールがインストールされたことを確認できます。上段がマネジメントサーバー、下段がレコーディングサーバーがインストールされたコンピューターです。
また、マネジメントクライアントとスマートクライアントのプラグインモジュールをインストールした場合は、それぞれのクライアントアプリケーションにSurveillance Bridgeの機能が追加されていることが確認できます。以下のその一例です。
次期バージョンのお知らせ
ここまで説明してきたSurveillance Bridge V2.0Xは上記の通り、一度解凍して必要なモジュールを一つずつ指定してコマンドを実行する必要がありますが、次期バージョンのSurveillance Bridge V2.3Xでは一つの命令でオプションで指定する複数のモジュールを一度にインストールする、サイレントインストールのための専用オプションが用意されます。