MIC ユーザー様インタビュー 株式会社明昌堂様

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CLASTOR-FSHL-HA 導入後のご感想をおうかがい致しました。

株式会社明昌堂
新潟支社 技術開発部 部長
本田 真規

コールドスタンバイ構成でサーバーを運用してきた株式会社明昌堂様。トラブル発生時の切り替えに伴うダウンタイムや、バックアップからの復元などの観点で課題がありました。自然災害等でも事業継続が可能な強いシステムを目指す中、同社が選んだのがMICのCLASTOR-FSHL-HAでした。

CLASTOR-FSHL-HA導入の概要

コールドスタンバイ構成のサーバーから、VMwareによる複数仮想サーバー構成に移行。これによりトラブル時の切り替えは、ユーザーが気づかないほどの短時間で自動的に行えるようになりました。また履歴管理バックアップやクラウドへのバックアップなどにより、災害などが発生しても複数拠点間を跨いで業務を続けられることはもちろん、在宅ワークなどでも力を発揮できるシステムを手に入れられました。

株式会社明昌堂様の会社紹介

昭和46年に手動写植業として設立した株式会社明昌堂。
電算写植やDTP制作を経て、現在では、今日の多様なメディアに対応したコンテンツ制作会社へと生まれ変わりました。高い技術力とスピードを誇り、お客様の出版、制作業務をサポートします。近年では、女性が働きやすい環境を目指し「えるぼし認定」(3つ星)の取得や、環境保全活動の一環として「カーボンオフセットDTP」活動など、社会貢献にも力を入れています。

今回はCLASTOR-FSHL-HA前の課題や使用感、そして今後についておうかがいしました。

以下、技術開発部 部長 本田様のインタビュー内容です。

導入の経緯と決め手 -自然災害などが起こっても事業が継続できる強いシステム -

新潟支社へ新たにサーバーを導入しようと考えたのは15年ほど前になります。新潟支社の立地から、サーバーにトラブルがあった場合、東京から対応のために駆けつけてもらうことは難しいからです。このため、常に冗長化しておきたいという思いがありました。

一方で、当時のサーバーは2台構成によるコールドスタンバイでした。サーバーになにか起こったら、物理的に付け替える運用です。実際に切り替えを実施し、代替機を使用したのは1年に1回くらいではありましたが、付け替えることやサーバーの落としあげに1時間は掛かってしまうのです。

目指していたのは、問題発生からできる限り瞬時に切り替えられる環境。切り替えの間は、作業ができなくなってしまいますから、ダウンタイムを1分1秒でも減らしたかったのです。

これら冗長化や業務の持続性を目指していたのには、理由があります。まず土地柄的に停電(瞬電)が多いという問題です。停電の発生は、サーバーの停止やトラブルに直結します。もう一つは新潟県中越地震の経験です。家などに被害を受け、苦労をした従業員もいましたが、事業を継続するという点では会社も苦労したのです。これらを乗り越えたからこそ、自然災害等に対応できる強いシステムを構築したいと考えました。

コールドスタンバイでの運用時は、データの冗長化もできていませんでした。バックアップも、いわゆる全バックアップという通常の方法でしたので、突発的なトラブルに強いとはいい難かったのです。

こうした中、これまでもサーバーなどでお手伝いいただいているエムアイシー・アソシエーツさん(以下、MIC)に相談したところ、さまざまな提案をしてくれました。こうして導入を決めたのが、CLASTOR-FSHL-HAです。

導入と感想 -仮想サーバーによる冗長化とバックアップで“強い”システムを実現-

現在のサーバーは、VMwareによる複数の仮想サーバーによって構成されています。メインサーバーに問題が発生した際は、瞬時に切り替えられるとMICに提案をもらったものです。実際にメインサーバーが停止してしまったことがありましたが、いつの間にか切り替わっていて、私たちユーザーは誰もそのことに気が付きませんでした。先にお話ししたように停電が少なくないため、こうした環境はとても嬉しいです。

バックアップも強化されました。今ではメインのデータを日々バックアップできています。これらのバックアップはクラウド上にあり、東京本社と新潟支社それぞれで行っています。これまでの普通のバックアップでは、東京本社、新潟支社どちらかに問題が発生した場合、切り戻しといった時間がどうしても必要でした。今ではどちらかになにかが起こっても、クラウド上のバックアップから作業を継続できますし、これは東京本社からでも新潟支社からでも、もちろん自宅からでも作業を続けられることを意味しています。いわばCLASTOR-FSHL-HAによって、サーバーと現場の冗長化を実現できたのです。

MICにはこのサーバーになってからも、色々な機能や仕組みを追加で作ってもらっています。例えば、毎月メインサーバーから在版サーバーにデータを移しているのですが、当初うまく移動できないことがありました。これをMICに報告したところ、翌月には改修され正常な動作になりました。こうした依頼や要望に対して迅速に対応頂けるMICには、本当に感謝しています。予想ですが、休日等でも、バックアップの監視などを行ってくれているのではないでしょうか。細やかでとても助かっています。

細やかという点では、CLASTOR-FSHL-HAへ入れ替えのときも大変助かりました。東京本社と新潟支社両方を行き来しなくてはならない作業ですが、現地での作業とリモートでの作業をうまく分けてくれ、段取りもしっかりしていたため、弊社の負担はほぼゼロでした。

そういえば早いもので、すでに10年くらいCLASTOR-FSHL-HAを使っています。その間、トラブルらしいトラブルは全くありません。以前のサーバーでは、しばしばクライアントからサーバーに接続できなくなり、調査と対応をしてもらっていましたが、現在ではそのようなことはなく、安心して日々の業務を行えています。

入れ替えた当時覚えているのは、動作速度です。使用感として、目に見えて高速になったのです。すっかり慣れてしまった現在でも速さに不満はありませんが、更新したらさらに速くなるのでしょうか(笑)。

MICの履歴管理バックアップも重宝しています。DTPは、いついつのデータに戻したいという要望が、顧客や社員の要望として時々発生します。このため履歴データは90日分をバックアップしていて、とても役立っています。月次バックアップも、当初は数個のスクリプトを起動していましたが、MICの改修によって今では一つのスクリプトだけで完了できるようになりました。

バックアップ関連で今MICに作っていただいているのが、クラウドへのバックアップツールです。現在よりもコストを下げられるという提案を頂戴し、進めていただいています。

未来 -動画制作といった新たな分野に対してもMICの提案に期待-

MICとは長いお付き合いをさせていただいています。その細かいサポートと的確な提案には、いつも助かっています。
この安心感は、他社さんでは得られないでしょう。

CLASTOR-FSHL-HAへ移行してからは、新型コロナウイルスの影響による在宅ワークはもちろん、なにが起こったとしても、どこに行っても仕事ができるようになりました。そしてこれはとても重要なことなのですが、お客様へ安心して頂ける環境も実現できたのです。DTPはお客様の大切なデータをお預かりすることになりますから、バックアップがしっかりと行われているという点は、お客様にも安心感を持ってもらえるのです。

弊社はDTPを専業としています。紙媒体がなくなるなどといわれることもありましたが、そんなことはないと考えています。一方で弊社も、少しずつさまざまな業務も行うようになりました。例えば動画制作です。DTPは大量のデータがありますが、動画編集の場合は大きなデータを扱うようになります。さらにはレンダリングサーバーなども必要です。こうした新たな試みに対応できるようなサーバーの提案も、MICにはぜひお願いしたいと考えています。

MICはとてもアットホームで、人柄が素晴らしいと思います。新潟まで来て頂けることも感謝しています。MICと弊社は、ひとつのチームとしてサーバーを創り上げているという感覚です。今後もよりよい提案をしてくれると期待しております。

今後もMICの得意分野を活かし、私たちとタッグを組んで進んで行ってほしいと思います。