クラウド上の仮想サーバーにもSurveillance Bridgeが有用です

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多くのクラウドサービスプロバイダーは仮想サーバーを提供しています。例としてはAmazon Web Serviceの場合は「Amazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud )」、Microsoft Azureの場合は「Azure Virtual Machines」というサービス名で仮想サーバーを提供しています。

VMS(Video Management Software)をこれらの仮想サーバーにインストールし、クラウド上のストレージと組み合わせて監視カメラのシステムを構築する場合もあります。

クラウド上のストレージはサービスプロバイダーごとに数種類用意されています。その中にはOSやアプリケーションを動かすために使うための仮想サーバーに直結でき、スループットが高いOSに依存するタイプのストレージや、汎用的なインターフェースを持ち、OSに依存しないタイプのストレージ等があります。

VMSが使用するストレージ

OSやVMS等のアプリケーションを動作させるためには仮想サーバーに直結できるタイプのストレージが必要です。(下図の場合はStorage for OS/Application)また、通常のVMSは録画データをVMSのアプリケーションでストレージ(Storage for Recording)に書込むため、録画データの書込み、読出し先にはOS依存のファイルシステムのインターフェースを持つストレージを使用する必要があります。

仮想サーバーのアプリケーションから直接アクセスできる選択肢としてはブロックストレージ、ファイルシステムストレージになります。AWSの場合ブロックストレージとしては「Amazon Elastic Block Store」、Windowsファイルシステムストレージとしては「Amazon FSx for Windows File Server」があります。

オブジェクトストレージ

OSやVMSアプリケーションから直接アクセス可能なブロックストレージとファイルシステムストレージ以外にオブジェクトストレージというものがあります。AWSの場合は「Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)」、Microsoft Azureの場合は「Azure Blob Storage」がオブジェクトストレージとして該当します。

オブジェクトストレージは様々特徴を持ちますが、端的に言えばブロックストレージ、ファイルシステムストレージに比べると料金が安いです。特にオブジェクトストレージは大容量でかつ、1ファイル当たりの容量が大きい場合に、更に料金的なメリットが大きくなります。

クラウド上のストレージの料金体系はストレージごとに計算方法が異なりますが、ブロックストレージ、ファイルシステムストレージ、オブジェクトストレージの料金を比較するためにストレージ容量単位の料金のみを単純に比較する表を作成してみました(Amazon Web Serviceが用意するStorage 2023/10/27現在:アジアパシフィック東京)。比較対象のサービスと料金の条件はそれぞれの脚注をご覧ください。

ストレージの種類毎月のGBあたり(USD)
ブロックストレージ10.096
ファイルシステムストレージ20.276
オブジェクトストレージ30.025

脚注もあわせて参照してほしいのですが、通常のVMSからアクセス可能なブロックストレージ、ファイルシステムストレージに比べて、オブジェクトストレージはこの表を見る限り料金面でメリットがあることがわかります。

Surveillance Bridgeでオブジェクトストレージへのアクセスをサポート

前項までの説明の通り、料金面のメリットが大きいオブジェクトストレージは通常のVMSでは使用できません。

しかしながら、Tiger Surveillance社のSurveillance BridgeにはVMSのRecording Server、Archiverとオブジェクトストレージの橋渡しをする機能があります。

多くのオブジェクトストレージサービスがありますが、Surveillance Bridgeは少なくとも上記の説明に出てきたAmazon S3、Microsoft Azure Blob Storageをサポートします。また、これらのオブジェクトストレージ以外であっても、S3 Compatibleストレージ、Wasabiオブジェクトストレージ等の多くのオブジェクトストレージをサポートしています。

Surveillance Bridgeがサポートするオブジェクトストレージの詳細についてはTiger Surveillance社のホームページのOur Partnersをご覧ください。

また、下図はクラウドオブジェクトストレージをターゲットストレージに割り当てる設定をする際のSurveillance BridgeのGUIです。

これらの多くのオブジェクトストレージに対応しており、Amazon S3, Azure Blob Storageが提供している更に廉価なArchive TierをSurveillance Bridgeから使用することも可能になっています。

  1. Amazon EC2 Block Store(EBS) General Purpose SSD (gp3) – Storageの料金です。この料金以外にIOPS料金、ベースラインパフォーマンス料金が発生する場合があります。 ↩︎
  2. Amazon FSx for Windows File Serverの料金です。マルチAZ配置のSSDストレージ容量の料金を提示しています。重複排除の効果は考慮していません。この料金以外にSSD IOPS、スループット料金、データ転送料金が発生する場合があります。 ↩︎
  3. Amazon Simple Storage Service Standardの料金です。提示している料金は最初50TB/月までの料金です。この料金以外にリクエスト料金とデータ転送料金が発生する場合があります。 ↩︎